
CONTENTS
インタビュー:
やなぎみわ(美術作家)
書籍セレクション:
「Chair Album/佐内正史」
イベント情報:
「LIFE」@YCAM ARTZONE展示情報など
Special:
「SOL CHORD SCREENING Vol.01」
イヴェント報告
ひと×場所×モノ。
第一回目のインタビューゲストは、美術作家のやなぎみわさん。
少女と老女の物語をテーマにした写真と映像のシリーズの作品集「フェアリーテール・老少女綺譚」が青幻社より2007年3月に刊行され、同年4月9日からは資生堂ギャラリーのグループショー「椿会」に参加。さらに、5月2日から、ニューヨークのチェルシー・アート・ミュージアムにて個展の開催が決定しています。
「制作や生活において、身近にある"モノ”を一点ご紹介ください」というお願いに、しばし考え込む表情の後、紹介していただいたのは、なんと"ツナギ”です。
"ツナギ”をキーワードにして、暖かい光が窓から射込むアトリエにて、作品に臨む気持ちや、表現する事に対する姿勢などのお話を伺ってきました。
Text: 岡澤理奈(岡澤理奈事務所)
Photo: 平野 愛
photo
: Ai Hirano
やなぎみわさん × アトリエ × ツナギ
インタビュアー:"ツナギ”を着ているときというのは、まさに身体を動かして製作されているときですよね。
やなぎみわ:作業の中でも、セットの作り込みなど実作業をしている時です。
私は、そこに至るまでが長いんですよ、だから"ツナギ”を着て作業する時は幸せな時です。
本当はずっと着ていたいんですけどね。
製作現場で"ツナギ”を着ている時間と、それに至るまでの構想段階の時間とでは、心も身体もモードが違うと思います。構想から製作に入るその時に、身体的もしくは環境的にスイッチが入った様に感じることはありますか?
プロセスで言うと、"きっかけ”はあまりないかもしれないですね。いよいよどうしようもなくなって実働に入る、という感じです。何をどうするかが決まらないと作れないのですが。


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やなぎみわ 作品集 Fairly Tale 老少女綺譚 |
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やなぎみわ 作品集 White Casket (海外版) |
| >>オリジナルプリントもおさめられた白い箱に入った作品集、White Casket Special Editionの情報はこちらから | |
「椿会展2007 ―Trans-Figurative―」
会期:2007年4月10日(火) - 6月10日(日)
会場:資生堂ギャラリー (東京銀座資生堂ビル 地下1階)
平日 11:00-19:00 日・祝 11:00-18:00
詳細は以下でご確認下さい
http://www.shiseido.co.jp/gallery/current/html/index.htm
リアルのためのフィクション
会期:2007年3月10日(土)→2007年5月27日(日)
会 場:東京国立近代美術館 ギャラリー4 (2階)
10:00-17:00 金のみ10:00-20:00
詳細は以下でご確認下さい
www.momat.go.jp/Honkan/honkan.html

Chair Album/佐内正史
2003年発行、“MAP”に続く佐内正史事務所による自費出版の作品集。
今年になって“無限に記憶” するためにということで外箱ができた。
1997年の“生きている”で衝撃を与え、その後も多くの写真集を発表しながら、広告やCMの仕事、作家/ミュージシャン/アーティストとのコラボレーション作品の製作する。2004年で再び“生きている”と同判型の写真集“鉄火”で注目を集めた。最新作は“ロマンティック”“夏秋冬秋”で、極端な形態ながら相変わらず面白い作品となっている。先の“MAP”では第28回木村伊兵衛賞を受賞した。
さて“Chair Album”だが、タイトルは響きで決めたとのことで、“Chair”と“Album”は独立しており、2つのタイトルを持った1つの写真集という意味も含まれる。
何も印刷されていない、モノトーンの布張りの装丁で、中には白黒写真が大きな余白を残して、まるで中央に貼られているかのように収まっている。そうこれは、まさにこれは私的なフォトアルバム、しかしそれは今までのカラーでどこか“タンタンと”とした雰囲気をまとったものとは趣を異にした、より内省的なものとなっている。
キーワードは<小さな白黒写真、無限の記憶>。インタヴューで本人が“心象風景”と語るように、実際に写っているのは現在の地方の写真等であるのにも関わらずどこかノスタルジックなものが垣間見られる。
とはいえ、それは1968年生まれの者が持つもので、時代の変動に身を寄せる団塊の世代のものとは一線を画す。今まで感じた“生”の感覚ではなく“死”を感じさせる雰囲気は、単純な反転のようにもみえるが、写真自体は妙に生々しいものとなっており、この写真家が日常を撮り続けながらとっている世界との距離感がちょっと心情の方に寄っているのが興味深い。
同じインタヴューで"ノイズ"という言い方をしているが、不意に“メタル・マシン・ミュージック”で物議をかもしだしたルー・リードとだぶるものを感じた。しかし改めて1枚ごとを取り出してみてみると、カラー写真で気づかなかった端正な構図、視線の取りかた、画面のなかの動きなどが際立ち、一見何気ない写真になぜいつも惹かれてしまうのか、秘密の一端をみるような気がする。
メディアショップとは、“MAP”のツアー時にトーク・ショー、店内では“シャンプーリンス”展を行い、今年3月にはMEDIA SHOP隣 ARTZONEで“夏秋冬秋”展をしてもらうなど何かと関係があり、今後も何かご一緒したいと思っている。(Text:齋藤孝司)
“初期ビデオアート再考”展カタログ
名古屋で行われた展覧会「初期ビデオアート再考展」のカタログ。
資料として大変まとまっており、貴重なものとなっている。
日本のビデオアートの草分け的な存在である21名(合作あり)の作品と、5つのテキスト、6名の作家へのインタヴューが収録された上に、DVDまで付属している。
テキスト内では1972年の“ビデオひろば”結成に国内での本格的な始まりをみるようだが、1970年の大阪万博が与えた影響もやはり大きなものとして捉えられている。
2006年、ナムジュン・パイクという、ある意味象徴的な存在が死去するという出来事とほぼ同時期に行われた展覧会であり、その意味でも、ある節目として再考するという作業はとても重要である。
また潔く“ビデオアート”と限定しているので、広義のメディアを使ったアートとの混同がなく、年代的な整理をしながら日本でのビデオアートの推移をみることができる。
展覧会実行委員である阪本氏の論文に初期ビデオアート再考の意義が書かれており、技術的には大変シンプルであったが故に、高い思考性と批評性を持っていること、そしてそれは現在隆盛を極めた感のあるメディアアートを見つめ直す端緒になるとまとめられている。
次はぜひ世界のビデオアート版を期待したい。(Text:齋藤孝司)
フィッシュリ&ヴァイス
ピーター・フィッシュリとデヴィット・ヴァイスはスイス人の二人組で、1979年から活動を開始し、映像、写真、インスタレーションなど様々ジャンルで作品を発表制作している。「SOL CHORD SCREENING Vol.01」イヴェント報告
Text:齋藤孝司
2007年3月27日にSOL CHORD/MEDIA SHOP共催による"SOL CHORD SCREENINGVol.01"が行われた。
このイヴェントは"撮影行為とアートを結ぶ、DVDレーベル" ソルコードの第二期リリースのプロモーションと、メディアショップのVOXホール使用トライアルを目的としたもので、IAMAS(情報科学芸術大学院大学/国際情報科学芸術アカデミー)の機材協力を受け、通常ライヴが行われるステージに、200インチのスクリーンを立て、大木裕之、池田泰教、木村悟之の3名の作家による新作プレミア上映、上映パフォーマンス、トーク・ ショーを行った。
まずは、新作プレミア上映の木村悟之 “軌跡映画2”から始まった。木村は、昨年ソルコードから"軌跡映画1
Cyclops"をリリースした。ハンディGPSを用いて半径3kmの円周を、24時間かけて移動しながら撮影するというルールを用いる若手作家であり、今回もタイトル通り、続編として同じ手法を用いながら、VOXビル屋上からの風景などを含んだ2トラック(周) 30分間の作品を発表した。
続いては、池田泰教の“o/φ 0327版"で、同じく新作プレミア上映であった。池田はソルコードから49秒ずつ49日間撮影し、7週間のサイクル、7日ごとにピアスをするという形式もつ"7×7"という作品をリリースしている若手作家だ。新作は15分という短かさのため形式の踏襲とはならなかったが、すでに作品をみたことのある者には、それとわかる雰囲気のあるものであった。
最後は、ベテラン大木裕之による“TRAIN松前君の兄弟の神殿の形2"。直前まで編集作業していたという映像素材を、音楽にのせて早送りしたり、巻き戻しをしたり、という上映パフォーマンスで観客を圧倒した。ソルコードリリース作品"松前君の兄弟の神殿の形'"より続く、現在進行中の作品"TRAIN"が京都に立ち寄ったことを会場の皆が目に焼き付けた。
上映後のトーク・ショーは、ソルコード・スーパーバイザーの前田真二郎が聞き手となり、上映の緊張から、少しリラックスして、作品の解説を行った。木村は、撮影ルールや撮影の場所の説明以外に、撮影が"素朴に楽しい"という本音ものぞかせた。池田は、題名の読み(o/φ:オー・スラッシュ・ファイ)や、題名の由来が形態(片目の人のようにみえる)、の説明をした。大木はトレインが複数の意味を持つ事や、プロセスをみせるためこの上映スタイルをとっていることなどを、場慣れした的確な語りで説明した。
イヴェントは、トライアルとしてとても貴重なものとなった一方、このレーベルの特長が際立つ内容となり、今後への期待も併せ持つものとなった。(文中 敬称略)




